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初めて当院にご来院いただいたのは、1988年(当時58歳)のことです。
義歯の作成や虫歯の治療を行いました。
1989年に行った治療です。コーヌスブリッジという、金属の内冠にブリッジをかぶせる治療法です。
コーヌスブリッジというのは、よく茶筒にたとえられます。茶筒のふたは本体を振ったりしても外れませんが、ふたをゆっくりと引っ張ると外れます。それと同様の原理で、普段の生活ではぴったりと外れませんが、ゆっくりと力を加えると外すことができるので、入れ歯の様にはずれ易い、動いてかみにくいという事がありません。外冠のブリッジを装着すると大変審美的です。また、メインテナンスがしやすい、というメリットがあります。
コーヌスブリッジを作ったあとも定期健診等でご来院いただいていたのですが、14年と半年後の2004年5月、土台になっていた歯が折れてしまいました。
左の写真が14年前、右の写真が14年と半年後です。左の一番端の歯がなくなっています。右側と違って奥歯の方に土台になる歯がないので、どうしても一番端の歯に負担がかかってしまいます。
このままでは端から順番に歯がなくなっていく危険性が非常に高いので、奥歯の方に土台としてインプラントを埋め込むことにしました。
奥歯がずっとなかったので、奥歯の部分の骨がやせてしまっていて、インプラントができる状態ではありませんでした。
そこで、上顎結節という親知らずが生えるよりもさらに奥の部分にインプラントを行いました。
歯とは直接関係ない部分なので、歯がなくなっても骨が残り、インプラントを行うことができます。
ただ随分奥にあるため、手術が非常に難しいのでより細心の注意を払って治療することが必要です。
左の写真のように、これまで使用していたブリッジはインプラントの部分まで届いていないので、ブリッジを追加修理する必要があります。
右の写真が追加修理後のブリッジです。左端に追加した部分をインプラントにかぶせて、土台にします。
追加修理したブリッジを装着した写真です。
インプラントを行って3年後(2007年)。
最初のコーヌスブリッジを装着してから実に18年間、何でも食べられ良好に使っていらっしゃいます(77歳)。
コーヌスブリッジはこの例のように良好な経過をたどる事が多く知られています。
これからもきちんと自己管理とプロフェッショナルケアを続け、永持ちするようにしていきます。